長崎の針尾送信所跡で、無線塔の基礎部分を掘削調査していたのがこの週末に一般公開されていたので、行ってきました(既に終了)。
掘削場所は模式図の赤枠のあたりか。塔の真横から斜め下に、基礎コンクリートの斜面と、その下にある岩盤がむき出しになるように掘っているようです。水がしみ出してるようで、排水ポンプが時々ごぽごぽ鳴ってました。
なお見学自体は、駐車場まで車の渋滞で40分程並び、その後は人間の渋滞で30分ほど並び、市の方? の5分ほどの説明と写真タイムのあと総入れ替え……といった感じ。元々場所的なキャパシティ自体あまりないのと、たいへん天気もよかったので大変そうでした(汗だく)。
ところで、以前この塔の建築方法について調べていたときに、「1922(大正11)年に完成した重要文化財「針尾無線塔」の施工方法の考察」という論文を見つけていたので予習しておいたのですが、大正解でしたね(先ほどの模式図も同文書が出典)。内容としては:
- 基礎コンクリートについて、形状や固さ・つき固め方など(今回の主題)
- 塔本体の建設について、型枠の形状や運用・足場の運用
- コンクリミキサーの選定や使用箇所による固さの考察
- コンクリの健全度の測定や考察
- などなど
待ってる間に塔の外壁を眺めてたのですが、型枠の使いまわしや調整枠の存在、型枠の段の中にも模様があること、入口構造物と塔本体の間……などなど、普通に見ていても絶対気づかない部分の解像度が爆上りしていて楽しかったので、やはり博物館の類は予習重要だなあと。
上の写真は以前訪問時の3号塔の内部で、反射衛星砲でも撃てそうに(?)鉄骨が中で段を重ねているのですが、建設時にはこれの上に木の板で足場を組んでコンクリの型枠作業をやっていたとのこと。塔の高さが増すほどに鉄骨も高さを増していって、最終的にこうなったわけですね。
また塔の内側の底は、模式図では基礎が低く描かれているものの、実際は入り口と同じ高さまで土砂で埋められています。この下は掘ったりしないのかな? と説明の方に聞いてみたところ、掘るなりボーリングなりしてみたいですねえ、とのこと。この模式図も想像図らしく、実際のところどうなっているのかわからないらしい? ので、調査進むといいですね。